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みちのくみどり学園について

みちのくみどり学園は岩手県盛岡市の郊外にあります。岩手山の麓に位置し、雄大な自然に囲まれた場所です。社会福祉法人・岩手愛児会が運営する「みちのくこども療育センター」は、児童養護施設の「みちのくみどり学園」と医療施設のもりおかこども病院」、そして情緒障害児短期治療施設の「ことりさわ学園」の施設から成り立ち、すぐ隣には「岩手県立盛岡青松支援学校」があります。特に病院と児童養護施設が併設してあるのは、全国でもみちのくみどり学園と静岡川奈臨海学園の二箇所だけという貴重な施設です。
昭和32年、虚弱児施設として創設されたみちのくみどり学園は、“先駆的・開拓的・実験的”な施設運営の理念を貫き、その任を果たしてきました。平成10年4月からは、児童福祉法の一部改正により、虚弱児施設から児童養護施設になり現在に至ります。
虚弱児から登校拒否児、被虐待児といった様々な子ども達を受け入れ、育ててきたみちのくみどり学園は、その時代時代における、“日本の子ども達の置かれた現状”を集約した場所だと言えます。
現在、入所者は75名。その約3割は病気療養などの理由による子ども達です。そして残り7割は被虐待児です。
みちのくみどり学園は、盛岡市内に留まらず、岩手県沿岸の洋野町や中山間地域の西和賀町、一関室根などの地域に子ども達ともに合宿し、社会の中で子ども達を育てる、“社会的養護”という視点をもち、人との交流の中から生きる力をはぐくむ活動をしています。

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子どもたちの“こころ”を作る物語

1990年から顕著になってきた児童虐待は年々拡大し、かろうじて救われ、施設に保護されている子どもの数は3万5千人に及びます。これは幸運にも保護された児童の数です。表に表れない数は30万人とも推定されています。
未来の担い手である子どもたちの受難の先に見えるのは、ほころび始めた私たちの社会です。
岩手県盛岡市にある児童養護施設「みちのくみどり学園」は盛岡市だけにとどまらず、岩手県の様々な地域と連携し、子どもたちの“こころ”の回復に取り組んでいます。一関市室根の太鼓合宿、西和賀町の生活体験合宿。そして、職員と子どもたちの共同作業から生れる弁論大会。
この作品には“人・自然・文化”のつながりを活かした子どもたちの“こころ”を作る物語が描かれています。

『いのちの作法』のスタッフが贈る“受難と再生”のドキュメンタリー

“児童虐待”という未来殺しとも呼べる大きな問題に『いのちの作法』で岩手県西和賀町の生命行政を描いた小池征人監督が視線を向けた本作。これに呼応して、撮影に一之瀬正史、音楽に森拓治・長谷川光など、『いのちの作法』のスタッフが再集結しました。
さらに編集には『アレクセイと泉』や『バオバブの記憶』の村本勝が参加。
子どもたちの“受難と再生”に向き合い、4ヶ月間の合宿撮影で記録された80時間の映像から紡ぎだされる物語は私たちに未来のあり方を指し示してくれます。

児童虐待とは?

日本では「児童虐待の防止等に関する法律」(平成12年法律第82号)において、「保護者(親権を行なう者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすること」と定義されています。
その行為とは、「身体的虐待」・「性的虐待」・「ネグレクト(育児放棄、監護放棄)」・「心理的虐待」などがあげられます。
虐待を受けた子どもたちは心に大きな傷を抱えています。これらは一般的な病気とは異なり、子どもたちの状態によって対処が変わってくるために常に新しいケアの方法が求められています。

生命の息吹-葦牙(あしかび)

「葦牙(あしかび)」とは葦の若芽のことです。
春になり、水辺の葦が芽吹き、水面にそのとがった新芽が点々と顔を出します。
この言葉の始まりは古く、古事記にも「葦牙の如く萌え騰れる(あしかびのごとくもえあがれる)」と神々の誕生が記されています。
「葦牙(あしかび)」は生命力の象徴なのです。
子どもたちは毎年、息づく葦のごとく、力強く生きています。

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